NTRが男尊女卑的であるという批判に寄せて―その1

いわゆるNTR(寝取り・寝取られ)というジャンルが一定の認知を得てどれくらい経ったのでしょうか。

しぶとくジャンルとして生き残っているNTRですが、やはりというか、当然というか、今もなお非常に多くの批判にさらされています。

 

頭の悪い展開、非現実的、胸糞悪い、最低、下品などから始まり

不貞、不道徳、反人権、非倫理的、暴力的、犯罪的……

 

盗撮で弱みを握って恐喝なんて時点でモロ犯罪だし

快楽堕ちもレ○プ、輪姦、薬物投与による洗脳とかだし

確かに反社会的、犯罪的、と言われたら………

 

でも連続殺人が起きるミステリーとか、サスペンスだって犯罪的じゃねーか!

むしろ犯罪者に同情的だったりするぞ!おい!

 

みたいなやり取りも散々繰り返してきましたが、まあ旗色が良くなることはありません。反論は可能ですが。

 

ところがそんな中で、「NTRは男尊女卑的である」という批判がふと目について、なるほどと思いました。

 

「男尊女卑的」が悪であるかどうかは置いておくとしても、これは正しいと思います。

もちろん、「一面的に」という注釈つきで。

 

この批判に際しては

 

①「寝取る」「寝取られる」という表現がそもそも、女性を「物」であるかのように捉えており、男性の所有の対象、従属的なものすることで貶めている。

 

②女性が不貞行為を行う主体として描かれることが多く、その不道徳な考えや行為が女性的側面として強調されており、性差別的である。

 

③女性に直接的に他者を裏切る役割を担わせて加害者的性格を押しつけ、反対に男性を無辜の被害者であるかのように描くことで印象を操作している。

 

などなど、いくらでも理由が挙げられますが、実のところこれらが全くの的外れであるとも言えません。

 

わかりやすく大雑把にまとめると

 

女に男のアクロバッティックな欲望押しつけて物みたいに乱暴に扱ったと思ったら都合良くどスケベ痴女みたいに仕立てた挙句勝手に被害者面して泣きながらオ○ニーしてんじゃねーよキモ変態マゾ野郎!

という批判です。

 

なるほど、確かに。

 

しかし同時に、この類の批判を見るにつれて

NTRは男尊女卑的である」という主張には「一面的に」正しいという評価しか下せない

という確信が、ますます深まっていくのです。

 

 つづく